落下衝撃の基礎シリーズ(1)モノを落とすとなぜ壊れるのか?
落下時に発生する衝撃力が破損の原因
さまざまな製品は、落としてしまうと破損する危険性が非常に高くなります。たとえば、スマートフォンを操作中に誤って落としたとき、画面が割れる、ケースが破損するなどのトラブルを経験された方も多いかもしれません。なぜ、スマートフォンは落下すると破損するのでしょうか。まず、物体が落下したとき、その物体にどのようなことが起きているかを考えてみます。物体が落下し、床面に衝突すると、物体には瞬間的に大きな加速度(=衝撃)が発生します。このとき物体には衝撃に比例した「力」が生じます。
ここでの力とは、物体の状態を変化させる要因であり、大きくなるほど物体に大きな作用(変形)をもたらします。
たとえば、マッチ棒に指で力を加えることを想像してみましょう。マッチ棒に加わる力が比較的小さい場合にはマッチ棒の変形は小さく、棒が折れることはありませんが、力が大きくなれば変形が大きくなり、限界以上の力が加わると棒が折れてしまいます。
このように、折れる(すなわち破損)という現象は物体自体の強度が、加えられた力に耐えきれないために起きた事象です。このマッチ棒の例は、比較的ゆっくりとした現象ですが、スマートフォンの落下のような速度の速い現象においても、同様のことがいえます。このように、スマートフォンが落下すると瞬間に衝撃が発生し、その影響で生じた力がスマートフォンの強度よりも大きい場合、破損に至ります。
スマートフォンなどの小型機器は、物流過程よりも、使用している時の方がより高い位置から落下する可能性が高くなりますが、このような場合であっても製品が破損しない、あるいは大きな破損とはならないような高い品質が要求されます。
壊れにくいモノづくりのために
そこで、このような落下・衝撃が起こることを想定して、事前に落下試験や機械的衝撃試験を行い、製品強度や包装設計の妥当性を評価する必要があり、神栄テクノロジーの落下・衝撃試験機が使用されスマートフォンなどの品質向上に貢献しています。
落下衝撃の基礎シリーズ
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