インタビュー
適正包装設計技術で包装課題の解決提案

アイロップ株式会社様(https://ailop.co.jp)は、1951年創業の包装設計・各種資材販売・コンサル業務など包装・物流ニーズに対応する提案型企業で、主に工業製品向けの包装設計や物流改善を手がけています。今回、包装貨物落下試験機の活用事例について伺いました。
アイロップ株式会社 包装技術部について
---まずはアイロップ株式会社 包装技術部の業務内容を教えてください。
「アイロップ株式会社は、『適正包装により顧客満足を得る』を経営理念として、70年以上にわたり、お客様の包装課題の解決に取り組んでいます。 さらに、長年培った包装技術ノウハウを活用することで、包装設計だけでなく、物流全体の最適化に向けたコンサルティングに関わる業務も行っています。 このなかで、私たちが所属する包装技術部では、お客様の製品特性やご要望、物流環境を考慮し、保管輸送に不可欠な包装資材および物流機器の設計提案に加え、包装コンサルティングを行っています。弊社の特徴は、ファブレス企業であるため、使用する材料に制約がなく、段ボール、樹脂、木材、スチールなど、あらゆる材料を用いた設計と、それに伴う資材調達ができる点です。 また、試作設備と試験機器を自社で保有しており、設計から試作、性能評価から販売まで一貫したサービスを提供することが、お客様への最適な提案につながっています。」

アイロップ株式会社公式マスコットキャラ「エーシキカブリ」
アイロップの強みと実績
---包装設計業務における強みや、これまでの実績など教えてください。
「包装技術部の強みは、製品特性、輸送環境、コスト、環境負荷など、様々な要素を総合的に考慮したうえで、最適な包装設計が提案できる技術力にあります。これまで多数のお客様に対し、6000種以上の開発案件を提案、採用された実績があります。加えて、パッケージングコンテストでは、過去20回以上も受賞しており、第三者機関からも、私たちの技術力が評価されています。
さらに対外的活動として、段ボールに特化した実習講座を外部機関と協力して実施し、段ボールの加工や試験方法を体験して頂く取り組みや、包装管理士や包装士の講師も担当することで、包装業界全体の技術力向上にも貢献しています。」

日本パッケージングコンテスト受賞作品のポスター
包装評価試験機器を保有するメリット
---包装評価試験機器はどのようなものを保有し、どのように利用されていますか。
「弊社では、落下試験機、圧縮試験機、段ボール材料試験機、恒温高湿槽を保有しています。 これら試験機器は、包装設計・物流機器の性能確認や、その品質保証のために活用しています。特に、弊社の強みである、設計から販売まで一貫したサービスを、お客様にスムーズに提供するためには、社内で試験が実施できる環境が不可欠です。
また、お客様によっては、独自の厳しい試験規格を設定されている場合も多く、自社で試験を実施できる環境があれば、お客様のニーズに合わせた最適な提案につながるため、試験機器を保有することは重要と考えています。」

落下試験機DTS-80の操作風景
落下試験機導入の決め手とは
---神栄テクノロジーの落下試験機を採用された背景を教えてください。
「最低落下高さ(落下試験が可能となる最も低い落下高さ)が採用の決め手となりました。 落下試験機の選定時に、他社試験機との比較検討を行ったところ、他社は最低落下高さが30㎝だったのに対し、神栄テクノロジー製試験機は20㎝でした。より低い落下高さが必要であった理由は、お客様によっては30㎝未満の高さでの落下試験が必要になる場合があるためです。様々な顧客要望に対応するためには、幅広い条件で試験ができる試験機が必要であり、その条件に最も近い試験機を提供していたのが神栄テクノロジーでした。」

選定理由となった最低落下高さ20cmの落下試験機
適正包装設計による課題解決の今後の展開
---適正包装設計の提案の今後の展開について教えてください。
「現在、弊社では適正包装設計を提案する「包装コンサルティング」も展開しています。これは、お客様が抱える課題をお聞きしたうえで、包装材・物流機器の販売だけでなく、様々な観点から改善提案を行う業務であり、ファブレス企業である弊社において、本業務は他社にない強みの一つといえます。たとえば、最近では物流の2024年問題を背景に、物流の見直しをされている企業から、包装改善のご相談を数多く頂戴しています。このような課題に対し、包装コンサルティングによる課題解決の事例として、お客様の物流現場を調査したうえで、包装貨物試験条件の見直しを行った事例があります。これにより、実際の物流環境に即した最適な包装設計が実現でき、輸送中の製品ダメージが最小化されるようになることで 包装設計だけでなく、物流全体の最適化が実現できました。通常、このような包装貨物試験条件を変更することは容易ではありませんが、包装のプロである弊社が第三者視点から提案したことで、その高い信頼性が評価され、スムーズに課題解決に至った実績があります。
このような包装コンサルティング業務には、包装技術ノウハウに加え、包装評価試験機の活用は必須であり、今後も経験と理論に基づいた提案により、お客様の抱える課題の解決に貢献していきたいと考えています。」
神栄テクノロジーに期待すること
---最後に神栄テクノロジーに期待することがあれば、教えてください。
「試験装置のスペシャリストとして、セミナーや研究活動の中で試験結果の分析や包装設計へのフィードバック方法など、より実践的な技術ノウハウの情報提供を通じて、包装業界全体の技術力底上げに貢献していただくことを期待します。」
公開日:2025/6
今回採用された試験機
包装貨物落下試験機 DTS-80:詳細仕様はこちら
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