包装貨物 落下試験方法(JISZ0202)

包装貨物は、その流通過程において、様々なハザード(製品破損要因)に遭遇します。このなかで、荷役中に生じる落下が製品破損に直結するハザードであり、緩衝包装設計においては、考慮しなければならない最重要項目といえます。

この落下に対する製品の安全性 (緩衝材料が予定通りに製品を保護できているか) を確認するために、包装設計後に落下試験が実施されます。

このとき、試験のよりどころとなる公的試験規格はJISZ0200とJISZ0202です。

JISZ0200:2020は包装貨物 性能試験方法般通則として、各種試験の試験条件(落下試験における試験落下高さ、振動試験のPSDなど)がまとめられています。ここでの落下試験の試験高さは、貨物重量と試験区分(≒物流環境品質水準)からなるマトリクス上に試験高さが分別されており、10kg未満の貨物の場合は、最大80cmから落下させることになります。

JISZ0202:2017は包装貨物 落下試験方法であり、主に包装貨物落下試験を行うための環境整備(設定落下高さの誤差範囲、落下床面の剛性や重量、試験設備条件など)と試験方法(自由落下試験、等価落下試験、片支持落下試験)があります。ここで、特に重要な点は、包装貨物の姿勢安定性にあります。当該規格によると、貨物の落下テーブルへの設置時の水平度は2度以内とし、さらに落下床面との水平度も同程度であることが望ましい、と記載があります。これは、貨物の姿勢が傾くことで製品への衝撃ダメージが異なるためであり、人手で落下させる試験では、この範囲を保証できないため、落下試験機を使う必要性が理解できます。

包装貨物落下試験機DTSシリーズ

  

実際にJIS規格に沿って包装貨物落下試験を行う場合は、以下のようになります。

①JISZ0200の落下高さマトリクスと、試験対象の貨物の重量から、落下高さを決定

②JISZ0202に従った方法(自由落下試験、等価落下試験など)を選択し、適した環境・設備にて試験を行う。

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