振動ロガーTrecViewを用いた包装貨物の緩衝性能評価
ここでは振動ロガーTrecViewを用いた振動計測事例として、包装貨物の緩衝性能を数値化した事例を紹介します。
振動調査方法
ダミー包装貨物内部(木箱をコーナーパッド型緩衝材で固定)と手押し台車の荷台上に振動ロガーTrecView(モデルFIR-302W:サンプリングレート1000Hz)を両面テープで固定(上の画像参照)し、人手で路上を走行させたとき、それぞれに発生する3軸振動を記録しました。
TrecViewの設定条件は以下のように設定しました。
- 加速度記録周期 10秒
- 温湿度記録周期 1分
- タイマー開始設定
結果
包装貨物内および荷台上で記録された3軸加速度の時系列グラフ(CSVファイルから表計算ソフトで描画)を以下に示します。赤線が貨物内の振動、青線が荷台上に発生した振動を表します。
これより、3軸の中で上下方向(一番上の図)が最も大きく、荷台上では最大約20G発生していますが、貨物内では最大で約10Gとなっており、振動抑制効果がみられます。また左右(中央の図)・前後方向(一番下の図)においても程度の差はありますが、包装内部の振動加速度が小さい傾向にあり、緩衝材料の効果が確認できました。
このように振動ロガーを利用することで、輸送中における包装貨物の緩衝性能が数値で確認できます。
備考
- 発生する振動は台車種類や走行時の路面、積載貨物の重量、台車の押し方、走行速度などによって大きく異なるため、今回の数値はあくまで参考値です。
- ここで紹介したTrecViewは試作機であり、量産品とはカラーリングが一部異なります。