技術情報更新 鉄道輸送における振動特性について

モーダルシフト

鉄道輸送は、一度に大量の貨物を長距離輸送する場合に有効な輸送手段であり、トラック輸送に比べCO2排出量が少ないことが特徴です。
トラック輸送から鉄道輸送に輸送手段を切り替えることをモーダルシフトと呼び、カーボンニュートラルの実現への貢献が期待されることから、国土交通省ではモーダルシフト等推進事業が展開されています。

鉄道輸送による振動特性

このようにモーダルシフトが推進されている一方で、これまでトラック輸送で運んでいたものが、鉄道輸送に切り替わると、輸送過程で発生する振動加速度の特性が異なることが想定されます。これは包装貨物の観点でみると、これまでトラック輸送では貨物に問題がなかったものが、鉄道輸送ではトラックとは別の損傷が発生する可能性が考えられます。

そこで、鉄道輸送における振動の実態を把握するため、実際に鉄道輸送でコンテナ内に発生する振動加速度を計測し、そこで得られた3軸振動データからPSD解析によりトラック輸送との比較、JIS規格(JISZ0200:2023)との比較を行いました。

下図はトラックと鉄道輸送の実測データによる垂直方向のパワースペクトル密度の違いの一例です。垂直方向においては、加速度実効値はトラックが鉄道よりも大きい(振動が厳しい)結果となりました。また鉄道輸送の特徴として60Hz以降でトラックよりも大きな振動が発生していることがわかります。

鉄道輸送とトラック輸送におけるパワースペクトル密度野比較

より詳細な内容について興味がある方は、ぜひ以下の資料をダウンロードしてご確認ください。
タイトル:鉄道輸送データに基づくランダム振動試験のための方向別パワースペクトル密度(2023年 全日本包装技術研究大会)
タイトル:鉄道輸送振動とトラック輸送振動の比較(2023年 日本包装学会年次大会)

その他参考情報