アナログ振動計とデジタル振動計の比較実験

振動ロガーTrecView モデルFIR-302D

振動ロガーTrecViewとは3軸振動センサ(±20G)+温湿度センサ+Bluetoothモジュールを搭載した小型デジタル記録計で、モデルFIR-302Dは、アナログ振動計FIRシリーズに相当する振動記録特性があります。

ここではTrecView(FIR-302D)とFIRシリーズの記録データに同等性があるかを確かめるため、実輸送にて比較検証を行った事例について報告いたします。

FIRシリーズとFIR-302D

実輸送による比較検証実験

検証方法は、FIR-302DとFIRを同じ輸送貨物に取り付けたのち、実際にトラックを輸送させ、発生する振動を同時記録し、そのデータを比較しました。

ここではトラック車種、仕向け地、記録計取付場所など、輸送条件が異なる合計10回の実輸送データを取得したのち、記録計別に、上下、前後、左右方向の最大加速度の10回平均値を比較しました。

結果

各記録計で記録された3軸方向の加速度(全10データの平均値)を図1に示します。

図1 TrecView(FIR-302D)とFIRシリーズの実測データ比較

これより、各方向で多少の差はあるものの、それぞれの平均値の差はおよそ0.1G以下であることがわかります。

また3方向の全データから、2つの標本平均値の有意差を評価するt検定(両側検定)を行ったところ、そのP値は0.67>有意水準0.05となり、2つの平均値に有意差はない(2つのデータは同一とみなせる)ことがわかりました。

※今回の結果は、あらゆるの輸送環境で同一の結果を保証するものではありません。