荷重試験機を用いた適正な耐圧設計

 耐圧設計とは貨物に荷重が加わった場合の製品破損を予防するために貨物に強度を持たせることであり、その際の必要貨物強度として式(1)が一般的に用いられます。ここで、製品自体がある程度強度を有しており、製品自体で上段の貨物を支えることを前提とした場合、外装箱に求められる必要な圧縮強度は式(3)に表すことが出来ます。

必要貨物圧縮強さ)=(最下段荷重)×(強度安全率)     (1)
          =(製品圧縮強さ)+(外装箱圧縮強さ)  (2)
外装箱圧縮強さ) =(必要貨物圧縮強さ)-(製品圧縮強さ) (3)

  強度安全率(通常1より大きい)
   𝑆=1/(1−𝐴/100)(1−𝐵/100)(1−𝐶/100)(1−𝐷/100)
   A:湿度による強度低下率
   B:保管期間による強度低下率
   C:積み方による強度低下率
   D:輸送や荷役などのその他の要因による強度低下率

 ここで、強度安全率は輸送記録計を用いた輸送環境調査を実施することで概算出来、最下段荷重は輸送条件により決定するため、必要貨物圧縮強さは事前に算出することが出来ます。この時、製品の圧縮強さが得られると、外装箱設計に必要な外装箱圧縮強さを把握することが出来ます。

Fig.1 貨物保管状況イメージ図
Fig.2 必要圧縮強さの基準

 当社の試験室には製品の圧縮強さを評価することが出来る万能試験機(UT-20H)と、外装箱設計後の箱圧縮強度評価、梱包貨物の強度評価を実施するための圧縮試験機(CT-1000-5)があり、これらを組み合わせることで定量的な耐圧設計が実現し、過剰な強度設計や圧壊による貨物破損を未然に防ぐことが可能です。

Fig.3 万能試験機(UT-20H)
Fig.4 包装貨物圧縮試験機(CT-1000-5)

詳細についてはお気軽にご相談ください。

参考ページ

「段ボール箱圧縮強度設計の適正化提案(2019年 全日本包装技術研究大会)」