包装貨物試験におけるデジタルトランスフォーメーション
包装貨物試験でNGになるときのデメリット
包装貨物落下試験とは、製品が安全に顧客に届けられる包装設計になっているかどうかを確認するための試験群で、落下試験、振動試験、圧縮試験などが実施されています。
ここで一般的な包装設計では、製品が落下しても破損しないよう、緩衝材の厚みや受圧面積を計算して設計されます。このとき、外力の大きさ(輸送中に発生する落下高さや振動レベル=包装貨物試験条件)と、製品の耐衝撃強度を加味しながら設計されます。出来上がった包装貨物は包装貨物試験によって、製品を確実に保護できているかを確認するために、実試験による評価が行われています(図1参照)。
この試験時にもし製品になんらかの不具合などが発生した場合には、包装設計を見直し、合格するまで再度試験を実施することとなります。したがって、なんども試験NGになると、設計コストや時間が大幅に増加してしまうデメリットが生じてしまいます。
包装試験におけるデジタルトランスフォーメーション
このような包装設計のデメリットを解消する方法の一つとして、実際の試験前にシミュレーション解析による包装緩衝性能の事前確認が挙げられます。
シミュレーション解析では、PC上で落下試験、振動試験時の緩衝特性(最大加速度や最大変位など)が出力されるため、事前に緩衝性能のおおよその目安をつけることができ、複数の緩衝材パターンから適切な構造を予測することで、実際の包装貨物試験での製品ダメージを予防します。ただしシミュレーション解析は完全に現実の環境を再現できる技術ではないため、最終確認は、実機による評価試験が必要となります。
包装貨物試験のDX化ともいえるシミュレーション解析ソフトウェアの活用と最終評価試験の組み合わせによって、包装設計スピードアップとコスト減の実現に貢献することが期待されます。
このような包装試験に関するシミュレーション解析について興味がある方は、詳細な資料を以下からダウンロードお願いします。